皆さんは、Googleプレイストアでこのパンダを見たことがないだろうか?
「節電♪長持ちバッテリー」、「サクサク for Android」、「超便利♪電波回復」、「ダイエット♪体重管理ツール+カロリー辞典」などの便利アプリのシリーズに使われているキャラクターで、名を「だーぱん」という。
実は私、この「だーぱんシリーズ」のことを、詐欺やウイルス入りなどの悪質なアプリかと思っていた。
だが、あまりにも頻繁にランキング上位に挙がってくるので恐る恐る使ってみたら、
…
…
ユーザーのことを考えた、とってもシンプルで便利な素晴らしいアプリだった!
そんなこんなで今ではすっかり愛用している「だーぱんシリーズ」
どんなお方が作ってくれたのか、気になったので会いに行ってきたぜ!
売り上げ以外のほとんどの情報を公開!
しかも今回は、事前に超マル秘情報を入手することに成功した。
これだ!
「だーぱんシリーズ」すべてのアプリの直近の総インストール数、有効インストール数、有効インストール率、DAU、アクティブ率の生データだ!
有効インストール率が平均57%!
「節電♪長持ちバッテリー」と「ダイエット♪体重管理ツール+カロリー辞典」にいたっては64%もの有効インストール率をたたき出している。
極めつけは「節電♪長持ちバッテリー」のDAU。44万人というから驚きだ。
そんなこんなで、「すごいなー」と感嘆しながらやってきたのはここ!
そう、原宿!
竹下通りを素通りして代々木方面に歩いていくとその会社はあった。
株式会社イグニス!
今回お会いしたのは、Android向けの「だーぱんシリーズ」を手掛けている柏谷(かしわや)プロデューサーと、エンジニアの堀氏だ。
―――すみません!最初は詐欺アプリだと疑っていました!今ではすっかり愛用していますのでご勘弁ください! 早速なのですが、まず初めにお二人について教えていただけますか?
柏谷氏:
アプリのプロデューサーをしています。Androidの「だーぱんシリーズ」やソーシャルゲームをメインで担当しています。
前職はモバイル系のベンチャーで働いていて、スマホサイトやアプリの開発マネージャーをしていました。
―――イグニスにはどういったきっかけで?
柏谷氏:
前職を辞めたあとはしばらくフリーで働いていたのですが、そのときにイグニスの仕事を手伝う機会があり、非常に楽しかったのでそのまま入社してしまいました。
―――堀さんは?
堀氏:
私はアンドロイドのアプリの開発を担当しておりまして、前職はアプリの受託開発を行っている会社でした。
その時に個人で出しているアプリが何本かありまして、それを見たイグニスのCTOから声をかけていただいて入社しました。
―――へぇ~!アプリが目を引いて!どんなアプリだったんですか?
堀氏:
アプリの内容としては、「Twitter クライアントアプリ」です。
Twitterで基本的な動作(つぶやき、検索、メッセージ、リツイートやフォローなど)はすべて可能で、複数アカウントにも対応したアプリです。
発端はイグニス代表のアイデア
―――「だーぱんシリーズ」はどういった経緯でつくられたんですか?
柏谷氏:
「サクサク for iPhone」というメモリ解放アプリが最初のだーぱんシリーズです。
当社の代表がiPhoneをいじりながら突然「メモリ解放アプリってよくない!?」という話を始めたことがきっかけでした。
メモリ解放をはじめとするツール系のアプリって、ITに詳しい男性が作ってるケースが多いじゃないですか。その結果、専門用語が多くてわかりにくかったり、だいたいクール系一辺倒のデザインになっていて、ターゲットが男性に限定されてしまっていたことを我々は勝機と捉えました。
専門用語をできるだけ無くして、わかりやすいUIと親しみやすいキャラクターを使えば、女性も使ってくれるツール系アプリとして流行るんじゃないかと考え、開発をはじめました。
結果として「サクサク for iPhone」は300万DLを超えるヒットとなり、また、継続率も非常に高かったので、「じゃあAndroidでもやろう」という流れになりました。
―――なるほど。最初にAndroidでつくったのはどれだったんですか?
柏谷氏:
「サクサク for iPhone」のAndroid版を出したんですが、あんまりDL数が伸びませんでした。当時からAndroidではメモリ解放アプリが既にたくさんあったので。
そこで、スマホをサクサク動かしたいというニーズに匹敵するものってなんだろうって考えていて。
ヒントを求めて色んな人にヒアリングしていたときに「スマホは電池がすぐ切れて困る」という話をたくさんの人がしていたので、「これじゃないか!」ということで作ったのが「節電♪長持ちバッテリー」でした。
でも節電も最初は全然ダウンロードされなかったんですよ。
アプリ名を変えてダウンロードが3倍に。DAUの高さは「通知機能」との相性が要因。
―――え、そうなんですか!?何かきっかけがあって伸びたんですか?柏谷氏:
アプリ名を変えたんです。最初は「バッテリーbyだーぱん」という名前でした。
―――あ~、なんだか中身がよくわからないタイトルにしてしまっていたんですね。。。
柏谷氏:
「だーぱん」というブランドを過信してしまいましたね。
ただ、有効インストール率とDAUの比率が非常に高くて、インストール数さえ伸ばせればイケると思いました。
節電というコンセプトがうまく伝わっていなかったことが伸びない原因ではないかと思い、試しにアプリ名を変えてみたら1日のダウンロード数が3倍くらいになったんです。
―――3倍!?すごいですね!
柏谷氏:
そこからはDL数もランキング順位も伸び続けましたね。
―――DAUの高さが際立っていますが、何か特別なことをしていたりするんですか?
柏谷氏:
最初は3日に1回くらいのペースでアップデートしていましたね。毎日、堀さんと一緒にプレイストアのレビューを見て、バグ修正や機能追加、UI改善などのアップデートをひたすら繰り返しました。
―――DAUアップに一番効果があったのはなんだと思いますか?
柏谷氏:
通知機能ですかね。一定の電池残高を下回ると「節電しようよ」という通知が飛ぶように設定ができるんですが、そこですかね。かなりのインパクトがありました。
「ユーザーにとってウザくない通知機能」は、DAUアップのために重要なポイントの一つだと思います。
基本の制作日数は5日間
―――DAUが44万もあると、もうひとつのメディアですね柏谷:
ですね。
5日くらいでつくったんですけどね(笑)
堀氏:
ベースになるところは5日くらいで作ってリリースして、後はバージョンアップで完成度を高めていきました。
企画段階って、やりたいことがいっぱいあるじゃないですか。それを柏谷さんと一緒に話し合って、5分の1くらいまでそぎ落とし、「早くリリースして、後はユーザーの意見を参考にして開発する」というスタンスで開発を進めました。
リリースしてからは、ひたすらユーザーの意見を聞いて、開発の優先順位をつけ、迅速にアップデートするというサイクルを繰り返して、気づいたら最初の1ヶ月で8回アップデートしていました。
全世界1000万インストールへ
―――だーぱんシリーズは今後もどんどん出していかれるんですか?柏谷氏:
出していく予定です。なんとか節電を超えるアプリを出したいですね。1000万以上ダウンロードされるアプリを作りたいです。
海外向けにも節電を出しているんですが、波に乗せるまでのマーケティングをまだ模索している段階です。ただ、海外版もDAUの比率や有効インスト-ル率はかなり高いので、可能性はあると思っています。
今ちょうど、海外に支社を作って現地のニーズの調査や海外向けのアプリの開発をしていこうということで、2週間ほど前にプロデューサーが2人北米に旅立ちました。
――――北米に支社ですか!?それは素晴らしいですね。
柏谷氏:
ありがとうございます。2人ともエース級のプロデューサーなので、きっと海外展開を加速させてくれると思います。
国内でも、だーぱんシリーズの他に、ソーシャルゲームや新しいプラットフォームになりえるようなサービスを開発中で、4月頃から続々とリリースされていく予定です。
これから出てくるサービスが会社を代表するサービスになっていくので、ぜひご注目ください!
あと、アプリのプロデューサーやエンジニア、デザイナー、堀さんの彼女を絶賛募集中ですので、興味がある方は採用ページにアクセスしてみてください!
―――それは楽しみですね。期待しています!本日はありがとうございました!
株式会社イグニス
http://1923.co.jp/
採用ページ
http://1923.co.jp/recruit.html
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