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先日、ニコ生で「第1回将棋ウォーズ名人戦」を成功させ、その勢いを加速させている将棋アプリがある。
「将棋ウォーズ」だ。
派手な演出と、レベルの近いユーザーとの自動マッチング、最大でも20分で対局が終了するという手軽さが支持され、2012年にリリースされるや一気に将棋アプリのナンバーワンに躍り出た。
将棋ウォーズを運営しているHEROZ株式会社の皆さんにお話をうかがった。
70万DLを突破し、1日3000人ペースで増加中!
―――アプリゲット編集部の阪森と申します。本日はよろしくお願い致します!さっそくですが、今ユーザーはどれくらいいらっしゃるんですか?
林隆弘氏(HEROZ株式会社代表取締役 以下林氏):
DL数は70万を超えてきています。今でも1日3000DLずつくらい増えているんですよ。
対局数でいうと、だいたい1日12万局ほどです。
―――1日3000人!?1日12万!?すごいですね!おどろくべき数字がぽんぽん飛び出して来ました・・・。配信開始は2012年になるんですよね?
清水 史人氏(エンジニア 以下清水氏):
そうですiPhoneが5月15日、アンドロイド6日6日です。
―――ちょうど1年ちょっと経って70万人いると。将棋ウォーズはどういった経緯があって作られたんですか?
林氏:将棋ウォーズ以前にも将棋ゲーム自体はモバゲーとかでも常にベスト10くらいに入っている人気ゲームでした。
でも、それらをやってもぼくらは満足できないんです。もっと面白くできるなと。それに将棋には1200万人以上の市場がありますから、これはちょっと耕せるなと。
幸いこの会社には元将棋部やら将棋をさせる初段以上の人やらが10人以上いたんですよ。偶然にも。
―――皆さん何段なんですか?
林氏:僕が6段です。
―――山本さんは?
山本一成氏(エンジニア ponanza開発者 以下山本氏):5段くらいです。
※山本氏は将棋プログラムponanzaの開発者でもある。Ponanzaは第23回世界将棋コンピュータ選手権で準優勝をし、3月に行われた第2回電王戦では佐藤慎一4段と対戦して勝利している。将棋ウォーズではponanzaと対戦することもできる他、ponanzaが代わりに5手指してくれる「棋神降臨」という機能がある。
―――皆さんすごいですね! 開発運営にあたってのそれぞれの役割を教えていただけますか?
山本氏:サーバー周りはここには今いないんですが、棚瀬というものが作っていて、UIとか、ベースの部分は僕が作りました。あとは思考エンジンも私が作っています。
細かい調整であったり、Android移植であったりは清水さんがやってくれて、絵とかは南さんが。
南綾香氏(デザイナー・広報 以下南氏):後は広報ですね。最近は広報らしい活動はしていないんですけど。
GoogleとAppleのおすすめ枠の常連になり、ユーザーが一気に増加
―――リリースしてからすぐに人が集まったんですか?
山本氏:それが、最初は10~20人くらいしかいなくて(笑)
南氏:最初は人数が3桁になったら「すごい!」って盛り上がっていましたよ(笑)
山本氏:昔は、「じゃあ一緒に将棋ウォーズやるか!」言って「せーの」でボタンを押したら対局できましたからね。自動マッチングなのに。
―――それが今では1日10万局ですもんね!!どうして増えていったんですか?なにかきっかけが?
林氏:Googleとアップルでオススメに何度か載せてくださって。
特にアップルは「デバイスを輝かしてくれる」って言って褒めてくれたんですよ。
あとは電王戦というプロ棋士と将棋エンジンの対戦イベントとのタイアップなどもあって増えて来ましたね。
今年行われた第2階電王戦は全5戦あって、2戦目で山本君がponanzaでプロ棋士と対局したんですが、これのPVがすごくいいんですよ(笑)
【ニコニコ動画】第2回将棋電王戦 第2局佐藤慎一四段 vs ponanza PV
山本氏:この時は結局コンピュータが3勝1敗1引き分けでしたね。でも、もう一回戦うと思うんで、そのときはぜひご覧になってください! 人類の敵として頑張ってきますので(笑)
―――そのponanzaと将棋ウォーズでは戦えるんですもんね。ちなみに、ユーザーはアンドロイド、iPhone、PCどれが多いですか?
山本氏:アンドロイドですね。6.7割がアンドロイドです。
―――開発にあたってこだわったのはどんな部分ですか?
林氏:オンラインで、切れ負けで、真剣勝負!というのをコンセプトにしていて、オートマッチングにしたのがこれまでのアプリと違うところ。
これまでの将棋サイトやアプリは誰かを選んで対戦していたんですよね。
レジャー白書によると将棋人口が1270万人いるんですが、この人達全員がターゲット。
将棋がまだ弱い人もみんなで楽しみましょうねっていうことです。
これをやるために大迫力の演出を手がけて、イベントをやったりして、どんどん広まるような仕組みをやっています。
5手100円で棋神が代わりに打ってくれる「棋神降臨」が人気。月額会員も好調。
―――ビジネスとしてはどうですか?
林氏:1日3局までは無料で、それ以上無制限は月額350円なんですが、良い感じで推移しています。あとは棋神降臨というのを5手100円で販売しているんですが、これがものすごく買われています。
段々文化が作られてきてですね、将棋ウォーズは棋神をおろすもんだと(笑)
※棋神降臨 ユーザーの代わりにponanzaが5手打ってくれる、将棋ウォーズの人気機能。棋神降臨時は演出も派手になる。
いろいろな人に将棋というゲームを再発見してもらいたい
――― 将棋ウォーズをどんな方に一番やって欲しいですか?
山本氏:将棋を覚えたくらいな人ですね。
今までの将棋ゲームはここの人達に優しくなかったんです。そういった人達に楽しんでもらえるというのが目標ですね。
なんですけど、何故か強い人ばっかり集まっています(笑)
―――じゃあ、最終的には今の1200万人という競技人口は増やす方向に?
林氏:そうですね!正直増やしたいなと思っています。僕らも将棋やるし、どう広げようかと。
―――最後にユーザーに一言お願いします。
山本氏:色々な人に将棋っていうゲームを再発見というか、こんなに身軽だったんだって、手軽に出来るんだとか発見して頂きたいという思いを込めて作りました!でいいよね!?
清水氏:まさにそうなんですよ(笑)僕、中学校の時将棋部を途中で飽きて辞めちゃったんです。今回将棋ウォーズを作ることによってまた将棋をはじめたのですが、同じくらいの記録の人が楽しんで使ってくれているので、それがすごく嬉しいです。
また将棋を始めてくれる人が沢山いれば嬉しいなって。
林氏:僕は大学で将棋部だったんですけど、将棋部だった方みんな社会人になると辞めてしまうんですよ。
辞めてしまう理由って色々あるんですけど、多分大きく分けて2つあって、みんな忙しいんですよね。秒読みでたらたら指すのは嫌なんですよ、時間が読めないので。
そんな時に切れ負けって革命的で、必ず20分以内に終わるという。
後は切れ負けとかこういうゲーム要素が増えると負けた時の自分の言い訳というか、逃げ場が出来ますからね。
こういった気楽に指せる環境があったらいいなって僕自身が思っていたので。
やっぱり昔将棋やっていた仲間が戻ってきましたよ。辞めていた人が。楽しんでやってくれてます。
南氏:私ここまでの流れぶっこわしちゃいますけど、頭使うのが得意ではないので、指すのは得意ではないですが、将棋ウォーズのおかげで対局を見るのは好きになったんですよね。あと、将棋ウォーズはエンターテイメント性にとんでいるから友達にゲームみたいでしょ?って広めやすいです。敷居が低いのでぜひ遊んでみてください!
アバターとかも色々な人の趣味に合うように色々なテイストで作っていますので!
初心者はまず棒銀から!
―――すみません、最後にもうひとつだけ!初心者は最初に何を覚えたらいいですか?
山本氏:
棒銀ですね。まずは棒銀を覚えてください!
~棒銀を教えていただいた! 棒銀についてはこちらからどうぞ→棒銀 - Wikipedia~
―――ありがとうございます!これで将棋ウォーズで修行してみます!本日はありがとうございました!
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