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2010年10月18日にリリースされ、3年半が経った今でも人気が衰えるどころかファンを獲得し続けているソーシャルゲームがある。
ラーメン屋経営ゲーム「ラーメン魂」だ。
自分のラーメン屋を開き、無数のスープ、麺、具材を組み合わせてラーメンを作り、稼いだお金でどんどん店を大きくしていくという内容で、2010年のリリース時にはYahoo!モバゲーでのリリースだった。
Yahoo!モバゲー版のラーメン魂は徐々にファンを増やしていき、2013年4月24日には会員数が100万人を突破したと発表している。
その後iOS版、Android版と相次いでリリースしたのだが、この勢いがすごかった。
2013年11月12日 iOS版リリース
2013年11月28日 iOS版30万DL突破
2014年1月27日iOS版50万DL突破
2014年2月17日 Android版リリース
2014年3月5日 シリーズ累計200万DL
2014年3月13日 スマホ版100万DL
iOS版のリリースから4ヶ月ちょっとでスマホ版の累計DLが100万を超えたのだ。
長寿と勢いの裏側をラーメン魂シリーズのプロデューサー、上村篤氏に聞いた。
ラーメン魂シリーズのプロデューサー、上村篤氏
ラーメン好きの女性社員「絶対ラーメンだ」
-もうすぐスマホで100万DL突破ですね。ラーメン魂の企画はどのようにはじまったのでしょうか。(※2014年3月11日に収録。3月13日に100万インストールを達成している。)
上村篤氏(以下 上村):社内に、非常にラーメンが好きな女性がおりまして。
その方がどうしてもラーメンのゲームが作りたいということで、実現したプロジェクトなんです。
2010年というと、丁度mixiゲームがはじまった頃でしたね、サミーネットワークスの新規の事業で何かをつくろうという中で、ラーメン好きの女性社員が「絶対ラーメンだ」というこだわりを持って立ち上がったのが「ラーメン魂」なんです。
結局紆余曲折あってmixiゲームではなく、Yahooモバゲーさんで出したんですけども。
Yahoo!モバゲー版のラーメン魂のサイト
当初は3人くらいで立ち上げたゲームだったのですが、ラーメン好きは彼女1人だったと記憶しています。
ちなみに彼女は、肉が大好きで魚が嫌い。
なのでラーメン魂で肉の具材の方が魚や他の具材にくらべて「おいしい」というパラメータ設定なのもその女性社員の独断です(笑)
ラーメンにこだわりが無いことが、ゲームの間口の広さにつながっている…かも?
-あれだけの種類の具材をそろえていかれると、最終的には皆さん具材については相当詳しくなってるんじゃないですか?
上村:そうですね。「最近はラーメンの食材」の粋を超え始めていますが(笑)
ラーメン魂には全国のご当地食材がラーメンの具材として登場するのですが、ご当地食材についての知識は相当付いていると思いますよ。
全国のご当地食材が登場する
TV番組の「秘密のケンミンSHOW」などを見ていても大抵は、「あ、この食材知ってる!」ってなりますね。
-ラーメン通というよりは食材通なんですかね
上村:ええ、食材通になってます(笑)
-皆さんでラーメンを食べにいかれたりとかは?
上村:実はあまりいかないんですよ。
最近近くに一風堂が出来たので前よりは行くようになりましたが、頻繁にはいきません。
メンバーの半分が女性ということもあるかもしれませんね。。
僕個人はラーメンが滅茶苦茶好きで、行列に並んででも食べるのですが。。
逆にメンバーがラーメン好きではない事が、ラーメンという題材に縛られず、色々な具材やユニークなアルバイトが登場する、スケールの大きな(?)ラーメン屋ゲームになったのかなと思います。
-ラーメンにこだわるよりもそのほうが間口が広がっていいのかもしれませんね。
上村:そうですね。ラーメンにこだわってしまうと食材もラーメンにありそうなものばかりになってしまうので組み合わせの妙なんかは出しづらかったのかなと思いますね。
いろんな人間がいたことでうまくかみあったかなと思いますね。
イベント食材。オムレツも、懐中時計もラーメンの具材になる。
-おもいきった食材、多いですもんね。
上村:最近ラーメンの具材じゃないなっていうものばっかりですね(笑)
甘いものも解禁されましたし。
人気の秘訣
-人気の秘訣は何だとお考えですか?
上村:ユーザーさんが集まっているということに関しては、ラーメン屋さんという親しみやすいテーマと、ちょっと昭和っぽい独特なデザインが受け入れられたんだと思います。
あとは、長く続けられるゲーム性が、ユーザーさんの高い継続率に繋がっています。
初期に手に入る内装の様子。最初は屋台からのスタートだ。
上村:それから、食材のデザインについては他社さんのレストランゲームとか、ラーメン関係のゲームのどこよりもおそらくクオリティが高いかなと思っています。
あとは選ぶ食材にエッジが効いていることも大きいと思います。
UIにもこだわっていますね。
片手で手軽に食材をトッピングできますし、これだけ自由に思い通りのラーメンが作れる
ゲームってラーメン魂くらいかな、と思います。
-最初から狙い通りだったんですか?
上村:いえ、運営を続けていく中でユーザーさんの動きを見たり、要望を聞いたりするなかでだんだんと今の形になっていきましたね。
全国修行もそうですし、ユーザーさん同士の対戦もそうですし、スペシャルゲストっていういわゆるレイドボスもユーザーさんの動向を見ながら追加していったイベントです。
地域ごとに指定されたミッションを達成していく「全国修行」
店に現れるスペシャルゲストをみんなでもてなして満足させる「スペシャルゲスト」
上村:当初はビジネス的にも収益があがるタイトルでは無かったのですが、本当に運営の工夫と努力でじわじわ伸びていった珍しいタイトルではないでしょうか。
スマホのパワーは予想以上。
-PCとスマホ、両方で成功されています
上村:スマホのユーザーさんは想像以上に入ってきてくれたと思います。
PC版は3年半くらい運営した中でようやく100万人なのに対してスマートフォンは数ヶ月で100万人ですのでやっぱりパワーは全然違うなと思いましたね。
-スマホではプロモーションはされたんですか?
上村:一般的なプロモーションは大抵やっていますね。ただ、同じ宣伝費を使っても他社さんの倍くらい獲得できているんじゃないかと思います。
PCで試し、スマホにも展開という流れ。
-今後は軸足はスマホに移っていくんですか?
上村:新しい事を試すにはアップデートをし易いPC版の方が向いているのでそういう意味ではPCの方も重要だと考えています。
PCで試してうまくいったものをじっくり吟味してスマートフォンに移すというのを今の段階では行っています。
-PCとスマホでユーザーの違いはありますか?
上村:最初は違うかなと思ったんですが、おおざっぱな意味では似ていますね。
ゲームの起動数なんかはスマホが圧倒的に多いですが、趣味嗜好みたいなものはどちらもユーザー数が多いので平均化されているのか、似ています。
ラーメン魂のカップラーメンなんてできないかなあ…
-ラーメン屋とのコラボ話って出たりしないんですか?
上村:コラボはしていきたいですね。
店主、店のデザイン、具材、コラボできるものはすべてそろってますので絶賛募集中です。
野望としては「ラーメン魂」と書いてあるカップラーメンを出したいですね。
-いいですね。カップラーメンになるとしたら具材はどうされるんですか?
上村:投票で(笑)
-すごいことになりそうですね(笑) カップラーメンメーカーさん、ぜひお願いします!
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