少年は夢を見た!V系バンドマンが武道館を目指す育成ゲー
バンギャを原宿からライブハウスに呼び込め! V系バン麺の野望!〜ROAD TO BUDOKAN〜はバンドマンを育成し、ロックバンドの聖地、日本武道館でのライブを目指す育成ゲーム。原宿に行きバンギャをライブハウスに捕獲し…いや呼び込み、チェキを販売することで獲得したギャラで整形…いや進化する、いわばなめこスタイルの育成ゲームだ。夢のために過酷な芸能界を必死にのし上がる、一人の少年の夢と狂気の物語だ。親にも分かるように説明するとV系とはヴィジュアル系バンドのこと。「麺」とはメンバーつまり主にV系のバンドマンの俗称であり、バンギャとは主にバンドマンを追っかける女性のことをさす。V系やバンギャの歴史は長く深く、説明するにはスペースが足りなすぎるが、さすがに一部の現実をユニークに誇張した感はあるが、地方から上京し、バンドをやっている筆者としては非常におもむき深いゲームだった。
V系バン麺の野望!〜ROAD TO BUDOKAN〜の一番の特徴はその無情なる世界観 シュールでユニークなゲームだ。なのに笑えなかった。「一部の現実をユニークに誇張した」と先ほど書いたが、実際にファンの女性…つまりバンギャと、V系バンドマンの生態系は切っても切れないものだ。少し売れて貞操観念がゆるいバンドマンだとつまりバンギャに私服や食生活にいたるまで貢がれたりする事も珍しくないという。実は筆者の古い友人にはV系バンドマンのいわゆる「地方妻」をやっていたり、ホストに使うかのごとく、月に数十万も貢いでいた女性もいた。公平に見て彼女たちの見返りはそんなにはなかったと思う。チェキ券で稼いだお金で整形、というこのゲームだって現実でもありうるのだ。このへんは大槻ケンヂ氏の作品や雨宮処凛さんの「バンギャル・ア・ゴーゴー」などに詳しい。夢と狂気の物語。バンドをやるって、そういうことなのかもな。ちなみに僕のバンドは残念ながら(?)、まだそんなファンの方はいない。
V系バン麺の野望!〜ROAD TO BUDOKAN〜攻略のコツ 語りすぎたので最後にゲームシステムについても言及したい。「原宿」に行くとバンギャがうろついているので捕獲…いやライブハウスに呼びこもう。バンドマンにとって地道な告知は大事である。バンギャは集まるのが早いので定期的に原宿に行くと進化も捗るぞ。タッチするときはなぞるように指を滑らすと楽に集められる。そしてライブハウスにてヘッドバンギングをしているバンギャたちにチェキ券を売りつけてお金を稼ぐのだ。特筆すべきは、バンギャをタッチするときにいちいちバンドマンが「ウワー、超嬉しいよー」「君のために頑張るよ」などと歯の浮くセリフを言うのがたまらん。裏技でもなんでもないが、バンドマンである少年をクリックすると本音を喋るぞ!なお、たまにバンギャが表示されなくなることがあるが、そしたらアプリを再起動だ。地方から上京した少年が、狂気の果てにどこに辿り着くのか、ぜひ見届けて欲しい。
全文を読む
↧